企業概要
1872年に日本初の洋風調剤薬局として創業された資生堂は、150年以上の歴史を持つ世界有数の化粧品メーカーです。主力商品には「エリクシール」「マキアージュ」「クレ・ド・ポー ボーテ」などがあり、日本国内はもちろん、アジア、欧米など世界各国に展開しています。売上構成はグローバル化粧品事業が中心で、特にアジア地域でのブランド力が強く、海外売上比率は6割を超えています。また、サステナビリティやダイバーシティ推進にも積極的で、近年では美容・健康テックとの融合にも力を入れています。
将来性・ポイント
アジア市場、特に中国におけるブランド力が高い資生堂は、インバウンド需要の回復と中国経済の再加速に伴って再成長の可能性を秘めています。また、スキンケア分野への注力や、高級ブランド路線の強化によって収益性の改善も進められています。近年ではデジタル戦略にも注力しており、AIを活用した肌診断技術やD2Cモデルによる直販強化など、先進的なマーケティング施策も展開しています。さらに、アジア以外の成長市場に対する投資も進めており、中長期的にはグローバルブランドとしてのさらなる飛躍が期待されます。
投資視点
株価はここ数年で大きな変動がありましたが、コロナ禍からの回復局面において再評価の動きが見られます。特に訪日外国人の増加やアジア圏での消費回復が、業績にポジティブな影響を与えると見られています。一方で、中国依存のリスクや原材料高など、外的要因にも左右されやすい点には注意が必要です。中長期ではブランド力と海外展開力を背景に安定成長が見込まれる銘柄であり、ディフェンシブ性もあることから、ポートフォリオの一部としての保有にも適しているといえます。